人間は、生まれながらに固有の性格・性質を持っていると言われています。
もちろんその性格・性質は千差万別であることは当たり前なのですが、
心理学の分野ではそれを類型化してパターン化しています。
ドイツの哲学者であるニコラウス・テーテンスは、能力心理学という学問の基礎を築いた人ですが、
この人が提唱した「人の心理の三分法」という類型によると、
人間の性質は「感情優先型」「行動優先型」「思考優先型」の3つに分けられます。
東洋でも同じように捉えられていて、「智」「情」「動」に分類しています。
また、スイスのユングが提唱した心理学によると、個人の自我は、
その関心を周りの環境である「外的世界」に向ける場合と、
心の世界である「内的世界」に向けるが、
主として行動の動機を「外的世界」から引き出す人と「内的世界」から引き出す人という差異があり、
ここから「外向型」「内向型」という2つの性格の類型に分類されます。
そしてこの性質・性格は、生まれた日によってある程度決定される(先天的=ナチュラル)傾向があることがわかっています。
私たちは、それを「ナチュラル・パーソナリティ」と名づけました。
私たちは生まれた瞬間から、自分の五感と第六感によって様々な情報を手にしていきます。
その様々な情報を受け入れたり反発したりしながら、
自分の自我を形づくり、
人それぞれという千差万別な性格になっていきます。
ただ何らかの刺激を受け取った時にどんなふうになるか。
つまり行動の基準だったり、
興味をもつ方向だったりというのは「ナチュラルパーソナリティ」によることが多いのです。
私たちはいつの時でも人との関わりの中で生きています。
喜びや楽しさも、そして悩みも苦しさも人と関わることで生まれてきます。
いろんな場面での人との接した方で成功したり失敗したり、試行錯誤の連続です。
子育てで考えてみた場合、
親は別け隔てなく育てているつもりでも、ひとり一人それぞれのナチュラルパーソナリティが違うがゆえに、
まったく違った方向に進んでしまうことがよくあります。
それが笑い話ですむ間はいいのですが、もっと大きな問題に発展してしまう可能性もあります。
同じように、会社での人間関係や、様々な社会での人との関わりも、
性格や性質を取り違えてしまうと、大きな悲劇が生まれてしまうこともあります。
もし、自分自身がどんなナチュラルパーソナリティを持っていて、
接するいろんな方々のナチュラルパーソナリティがわかっていたら。。。
みなさんもナチュラルパーソナリティを学んで、円滑な人間関係づくりの一助にして行きましょう。